2007年05月31日

イギリス人ドライバーの悩み

2002年オーストリアGPでフェラーリがやった事を思い出してもらいたいです。
レースをリードしていたバリチェロ(現ホンダ)がゴール直前でミハエル・シューマッハに勝利を譲った場面です。

あの時に”チームオーダー”という言葉が流行りました。
あの時、フェラーリは罰金を払わさせられました。

今回のモナコGP決勝後、またしてもチームオーダー疑惑がパドックを駆け巡りました。イギリスのマスコミから疑いの目を向けられているのはマクラーレンのロン・デニス代表。
ポイントリーダーのハミルトンがアロンソにアタックできないよう、手心を加えたということなのです。

デニスは1998年オーストラリアGPでも、当時マクラーレンのクルサードとミカ・ハッキネンの勝負を意図的に操作したと非難を浴びたことがあります。

今回のモナコでは、ポールのアロンソより重い燃料タンクでスタートしたハミルトンが、最初のピットストップ後もアロンソの後ろについて走らざるを得なかったことで、周囲から不満の声が上がりました。

エクレストンはこれについてこうコメントしました。
「チームオーダーがあったのか否かはわからない。1つ確実なことは、チームオーダーがあったとしたら、我々のスポーツ規約に反していることになるし、(もしチームオーダーあったとしたら)彼らはただちに処分されるか、またはフェラーリと同じような罰金が科せられるだろう。また、チャンピオンシップから除外されるか、ポイントをはく奪される可能性もあるだろうね。」

FIAはこの2日間で証拠の調査を行っており、これにはマクラーレンのドライバーとピットとの間で交わされたラジオも含まれています。

デニスはこれに対し、こうコメントしています。
「私は、ドライバーにアクセルを緩めろとはいわない。ドライバーの不満顔も見たくない。だがモナコGPに勝つためには、ある種の戦略も必要だ。」
さらにデニスはマクラーレンの強さを象徴する余裕のコメントもしています。
「私たちにチームオーダーは存在しない。ただ勝つために戦略を取っただけだ。ふたりにのびのびと戦ってもらうレースもあれば、その限りではないレースもあるんだよ。」

当のハミルトンは会見でこうコメントしていました。
「僕のクルマのナンバーは2番だ。僕はナンバー2のドライバーだからね。」
と会見場でぶっきらぼうに話していました。
表彰台での彼の表情でもその心情が伺えました。

gpupdate0529.jpg
(GPupdate)"Hamilton"

ルイス・ハミルトンの父親のアンソニー・ハミルトンは、息子の輝かしい将来性に気づいているはずですが、2007年にルイスが受け取る給料はトップドライバーの中では極めて低い100万ドル(約1億2千万円)以下になると言われています。

アンソニー・ハミルトンは、こうコメントしています。
「数人の代理人たちとは話をしていて、彼らがどのようなオファーができるかについて議論は重ねている。来年には代理人がつくだろう。」

いずれにせよスーパールーキーのハミルトンの活躍によってイギリスのマスコミは大いに沸いています。
チームオーダーが出るくらい、アロンソを脅かす存在になっているという事です。

ところが、同じイギリス人のジェンソン・バトン(ホンダ)は、
「ハミルトンの陰に隠れてしまっている。」
とマスコミに評されてしまっています。

昨年まではイギリス人ドライバーの期待の星と言えばバトンだったにも関わらず、マスコミは冷たいものです。

これに対しバトンはその複雑な心境をこうコメントしています。
「これまで僕にメディアの視線が集中していたときは“メディアの束縛を離れ、もっと自由に動けるようになりたい”と思っていたけど、今の僕にそのような束縛なんてない。事実、ひとりぼっちになってしまっているような感覚さ。」
と、ちょっと寂しいバトンです。

一方では、頂点に立ち、チームオーダーに悩まされる若き天才ドライバーと、一気に中盤以降の憂き目に会っている、”昨日までの天才ドライバー”は、どちらも大きな悩みを抱えているようです。

しかしながら、母国イギリスにとってはとても嬉しい悲鳴ですし、F1発祥の地、イギリスに凱旋帰国する日は近いです。

これでバトンがひねくれずにもっと素直に頑張ってくれれば、”日の沈まない国、大英帝国”に二人の若くて才能のある、ドライバーが揃うという訳です。

忘れてならないのは今、F1はイギリス人ブームだという事です。
22名の精鋭の内、上記の2名だけでなく4名ものイギリス人ドライバーが活躍している事を忘れてはいけません。


まずはデビッド・クルサード(レッドブルレーシング)

現役F1ドライバー最年長の36歳です。
ドライバーズランキング2位を4回、3位を3回という「無冠の帝王」と言われた、スターリング・モスと並び称されています。


アンソニー・デビッドソン(スーパーアグリF1チーム)

今年初めてF1のレギュラードライバーとして参戦しているので、その秘めたる実力はまだ開花しておりません。

この4人は、クルサードがスコットランドなのを除き、後の3人はイングランドの出身です。

クルサードは年齢的に厳しいですが、その優れたマシン開発力を買われて、長い現役生活を送っています。(来期からの契約はどうでしょうか?)
デビッドソンは、何と言っても日本勢の一員ですから、佐藤琢磨を追い抜く勢いでポイントを獲得してもらいたいです。バトンと同じくホンダのイギリス人ドライバー期待の星であります。

しかし、スーパールーキーのハミルトン以外は今のところ、今ひとつの成績です。
これから、シーズンもまだまだ中盤に差し掛かるところですから、挽回してルーキーに負けないように3人も頑張ってほしいところであります。
posted by ティフォジ at 11:41| F1ドライバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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