2007年06月26日

スーパーアグリ大特集!!

『佐藤琢磨、6位!』
『チャンピオンをオーバーテイク』
『スーパーアグリF1チーム、3ポイントゲット』
『会心の70周!〜佐藤琢磨〜』

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SUPER AGURI F1 TEAM

と、カナダGP翌日からの新聞、週刊誌、専門誌、果ては一般紙に至るまで、ジル・ブルヌーブ・サーキットでの佐藤琢磨の活躍をあたかも優勝したかとでも言うように書き立てていました。

それもそのはず、今季に入る前、評判ではスーパーアグリは、ポイントを1ポイントでもあげるのが、精一杯でしょうと、言われていました。

それに対して、第4戦スペインGPでは8位入賞1ポイントを挙げ、今回第6戦カナダGPではさらにジャンプアップして6位入賞3ポイントを挙げたからです。

それも前回のスペインと違い、今回はフェラーリのライコネンをオーバーテイクし、さらに昨年のチャンピオン、今季のチャンピオンシップリーダーであるマクラーレンメルセデスのフェルナンド・アロンソをコース上でスリップストリームからブレーキング競争で、オーバーテイクするという快挙を成し遂げたから書き立てられたという訳です。

佐藤琢磨はこうコメントしました。
「最高だ。すごくエキサイティングなレースで、ピットレーンのあちこちで混乱が生じていた。特にロバート・クビカの事故があったからね。

僕の目の前で起きた事故だったので、本当にぞっとした。彼が無事だと聞いて安心して、自分のレースに集中できるようになった。
何度もセーフティーカーが出動したが、毎回うまく対処できた。

最後のセーフティーカー出動の時、ピットに戻ることにした。
セーフティーカー先導下の数周をオプション(ソフト)タイヤで走ろうと思ったんだ。

その後、まだセーフティーカーが出ている間にまたピットインして、プライム(ハード)タイヤに換えた。

おかげで他のドライバーたちがソフト寄りのタイヤで苦戦する中、僕は全力でプッシュできたんだ。」

ラルフ・シューマッハの後ろでコースに復帰した琢磨は、タイヤのアドバンテージをフルに利用し、すぐさまシューマッハをパス。彼はその他にも、フェラーリとマクラーレンをオーバーテイクするという信じられない光景を、観客たちに見せ付けた。

更に琢磨は続ける
「リスタートの後、オプション(ソフト)タイヤユーザーたちは、あっという間に遠ざかっていった。僕のプライム(ハード)タイヤより温まっていたからね。

ウェーバーが後ろにいたのも悩みの種だった。メインストレートでは彼の方が20km/h近く速かったんだ。

でも幸い抑えきる
ことができた。オプション(ソフト)タイヤのドライバーたちは、数周すると辛くなってくるだろうことは分かっていた。だからこそ、プライム(ハード)タイヤに換えたんだ。」

「ペースはとてもよく、戦略も素晴らしかった。終盤に何が起ころうと、すでに僕たちはポイントを争えるポジションにいたんだ。3周かかってラルフを抜くことができたよ。」

「キミを抜くのは変な気分だった。普通の状況だったら、あんな風に彼を抜くなんてあり得ないからね。

今日は、去年同様タイヤかすがそこら中に転がっていたので、大変だった。リスタートの後、キミはヘアピンでブレーキングをミスしたので、楽に前に出られた。

その後も彼に見劣りしないペースで走れたので驚いたよ。
僕はジャンカルロとのギャップを縮めていき、キミは追ってはこなかった。」

「フェルナンドに追いつけるなんて、正直言って思ってもみなかった。
何周かするうちに近づいてきて、彼のリヤタイヤが苦しいのが分かった。

それでチャンスを見つけたんだ。そういう時は全力でチャンスをものにしなきゃならない。フェルナンドをパスするなんて、本当にエキサイティングだった。すごく楽しかったよ。」

「実際にオーバーテイクをしてポジションを上げていけるというのは、すごくいい気分だった。オプション(ソフト)タイヤだったらあんな風にオーバーテイクすることはできなかっただろう。

土壇場の判断でピットに入ったのだが、完全に僕の決断だった。ピットインした時には誰も準備ができていなかったよ。すごくリスクが高かったけれど、やるだけやってみたかった。」

スーパーアグリ6位入賞のすごさは琢磨の戦術にもあったし、ドライビングテクニックにもあったが、真のアグリチームのすごさはその中身にあるのです。

スーパーアグリの鈴木亜久里代表はこう語りました。
「もちろん勝ちたい。でも、勝ちたいのとワールドチャンピオンになるのとでは違うからね。

これから先、このプライベートチームがメーカーと戦ってどこまで行けるか。

400〜500人でクルマつくってるところと、150〜160人でやってるところと、予算だって5〜6倍違うと思うんだ。

それに対して真っ向勝負で戦ったって、かなわない部分は必ずどこかにある。

でも、資金を使ったからって強くなれるわけじゃないし、500人にしたらいいチームになれるわけじゃない。」

そうです。スーパーアグリは数少なくなってきているF1のプライベートチーム(自動車メーカーがやっているのではない)であり、その中でも零細企業のひとつなのです。

それでもトップをあきらめては知っている訳ではないという心意気が気持ち良いのです。そしてさらに亜久里代表は、F1サーカスでの自チームの位置づけをこう語りました。

「ヨーロッパの中でも、うちのチームって悪い評判じゃないと思うよ。

去年のブラジルの時だって、スパイカーだとかトロロッソ、レッドブルなんか、言ってみれば自分たちの敵なのに、いろんなヤツが来て『頑張ったね!』とか、言うんだよ。

そういうの、すごく嬉しいよね。大きなチームのメカニックだとかエンジニアも、みんな俺のチームに来たいって言うもん(笑)。

判官贔屓なのか、弱くっても頑張ってるから応援してくれるのかわかんないけど、一生懸命にやっている姿が認められてるんだと思う。」

スーパーアグリのスタッフはチームをどう見ているのか?興味のあるところです。

ハイドロシステム担当のピーター・アーケルは縁の下の力持ち
「バジェットが少ないだけに、新しいものをつけられない。
ハイドロはパフォーマンスレベルを上げるためでなく、信頼性維持が大切なため、ミスは絶対に許されない。」

デザイン部門チーフデザイナー、ピーター・マックールは、
「デザインのプロセスはつねに改良の連続だから、資金のあるなしは関係ない。でも、余裕があったらあと10人デザイナーを雇いたい。」
ビッグチームなら60〜70人のデザイナーがいるのだが、ここのデザイン部門は彼を入れて12人しかいない。

カナダ後ではなくスペイン後になってしまう、ちょっと古い情報ですが、スーパーアグリが初ポイントを挙げた事に各国のメディアはスーパーアグリをどう見ていたのでしょうか?

イタリア最大手のスポーツ紙ガゼッタ・デロ・スポルトは
”初ポイントの歓喜に沸くスーパーアグリ”という見出しで、コラムを掲載しました。

「彼らのような小規模なチームがポイントを獲得する事が、どれだけ大変な事か肌で感じてきたので、本当に驚いている。」
と、言っています。

同じイタリアのトゥットスポルトは
”まるでおとぎ話のようなサクセスストーリー”というタイトルで1/4ページも紙面を割いて書いていました。

ちなみにイタリアのスポーツ紙はグランプリ後にドライバーに10点満点で評価しています。
スペイン後のトゥットスポルトは
1位がマッサ10点(優勝しましたから)
2位がハミルトン8.5点
3位が佐藤琢磨8点
アロンソやキミは5.5点でした。

それでは他チームはスーパーアグリをどう見ているのでしょうか?
ルノーのエンジニアリングエグゼクティブディレクターであるパット・シモンズはこう語ります。

「技術者としてスーパーアグリのクルマが全くどこかのチームが、使っていたクルマを進化させただけの車両かはちょっとみればわかるというものさ。この問題はどうでもいいんだ、だって今後、完全なる新車で戦っている我々がもうこれ以上負けることは許されないんだから!」

事実カナダでは負けていません。

複雑な思いなのはホンダでしょう。
ホンダ・レーシングのニック・フライは

「ウチのチームより先にポイントを挙げたからねえ。私たちの実力はこんなものじゃない。事実予選では何度も彼らの前にいるじゃないか。シーズン終了時に上位にいるのは我々の方さ。今回はたまたま幸運だっただけだよ。」

確かに理論的にはそうかもしれませんが、F1はエンジンだけで走っている訳ではありません。
エンジン、シャーシ、タイヤ、ドライバーといろんな要素が、詰まってグリッド〜チェッカーしているのです。

最後に琢磨のグランプリ後のコメントの最後で、締め括りたいと思います。

「6位という上位でフィニッシュすることができてとても嬉しい。メカニックや、困難な時期にもずっとサポートし続けてくれた人たちのためにもね。ここで結果を出す事ができた。全く予想外のことだったし、クレージーなレースだったけれどね。

今日は僕らはラッキーだったんだ。でも、チャンスはつかまなければならない。何があっても対処できるように準備をし、完走を果たさなければならない。

今日はそれをやってのけたんだ。みんなのことをとても誇りに思う。
僕らにとって素晴らしい1日だった。」

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SUPER AGURI F1 TEAM

最後に、手裏剣、炎、日の丸などを型どった、アグリマシンのカラーリングには琢磨ばかりが脚光を浴びていますが、琢磨と同様に頑張っているアンソニー・デビッドソンもいることを忘れないでおいてほしいです。


posted by ティフォジ at 12:06| F1第6戦 カナダ グランプリ 6/10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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